夫婦登山 八ツ 硫黄岳
2019年 09月 13日
「年に一度位はね」と嫁さんと2人、山歩きへ出掛けた。
息子も一緒に行けたらいいが、まだまだ小さく、行ける場所も限られるので今回はお義母さんに預かってもらっている。
お義母さんには、しょっちゅう息子の面倒を見てもらい本当に感謝しかない。
一生、足を向けて寝られないだろう。(ありがとうございます。)
そういえば去年は、2人で紅葉を楽しみに御嶽山へ遊びに行ったが、あの噴火事故からちょうど4年経ち、ようやく入山規制が無くなり山頂まで登れるという事で、大勢のマスコミ、空にはヘリがバタバタと飛び、とても「ゆっくり紅葉を」なんて雰囲気ではなかった・・
頂上に立つと、これもちょうど噴火が起きた時間だったらしく、厳かに関係者達で黙祷などが行われており、取材の方々からカメラを向けられ「この時間にどんな気持ちで登頂したのか?」「あれから4年経つが今日という日をどう思われるか?」などとインタビューを受けたが口が裂けても「紅葉を楽しみに来たらたまたまだったんです・・」などとは言えなかった・・
今回は1泊小屋泊まりで、家からも近い八ヶ岳の硫黄岳、天狗岳、そして北八ツの中山、ニュウあたりを、本沢温泉から入り歩く事にした。
日の出前のまだ薄暗い中、イヤイヤ期に入った息子の大変な面倒を申し訳ないと思いながら2人で山へ向かう。
車窓からは今から向かう天狗岳、その横には稲子岳が朝日に照らされ真っ赤に染まり、寝惚け眼の僕等の眼を覚ましてくれた。
車を停め、本沢温泉まではひたすら緩やかな林道を歩く。
天気はアタリ。
気温もそこまで高くなく、気持ち良く足が進む。
林道からは秩父方面の山々。
本沢温泉は日本一標高の高い露天風呂が有名。
温泉が近づいてくると硫黄の香りがプーンと匂ってくる。卵の腐った臭いだ。
露天風呂ではおじさんが一人、僕等の存在など気にもせずに、生まれたままの姿で大自然を満喫していた。
気持ち良さそうだ。
近くからは、これから歩く硫黄岳の爆裂火口が良く見える。
6月末に熊が目撃され、焦った熊は足を踏み外し爆裂火口に転がっていったらしいが・・いくら熊でもタダでは済まないだろう。
とりあえず硫黄岳に登る為、本沢温泉から夏沢峠を目指す。
峠まではつづら折りに歩き、高度を上げていく。
しばらく歩いていると、僕等のすぐ真上にヘリコプターがバタバタとやって来た。
どうやら夏沢峠にある、やまびこ荘の荷物を運んできたみたいだ。
サッと荷物を降ろして、またすぐに飛び立って行った。
そういえば、今年は山小屋への物資輸送ヘリが全て故障し、北アルプスや八ヶ岳の小屋の方達は歩荷が大変だったみたいだ。
しかし近い将来は、きっとドローンが飛びまくって荷揚げするときが来るだろう。まぁ、あまりいい光景とは言えないだろうが・・
つづら折りを登りきり、やまびこ荘の前に出るとそこは夏沢峠。
時間は気にもならない位まだまだ余裕がある。ちなみに今夜の宿は黒百合平のヒュッテで16時までに入ればいい。
ここから硫黄岳にはピストンで行く。
どこかに荷物をデポしていきたいところだが、適当な場所も無いので諦めた。
硫黄岳へは赤茶色の溶岩石の混ざった火山岩のガレ場を歩きながら頂上を目指す。
東天狗岳、西天狗岳の絶景を背にし、目の前に硫黄岳の爆裂火口が迫る。
硫黄岳2760m。
ちょうど八ヶ岳のど真ん中にあるこの山は、南には横岳、赤岳、阿弥陀岳と大パノラマが広がり、いつまで眺めていても飽きない。
元々八ヶ岳は、富士山よりも高く、大昔の噴火で今のような形になったと言われており、爆裂火口や周りの山々を眺めながら、そんなことを想像しているだけでも楽しい。
ちなみに地元では「富士山と八ヶ岳の背比べ」なんて昔話もある。
富士山に殴られて、八ヶ岳の頭が飛び散ったとかいう話だったと思う。
硫黄岳を後にして夏沢峠に戻り、トイレ休憩をしていると、天狗岳方面から来たトレイルランナーのK君とバッタリ行き合った。これから硫黄岳に向かうらしい。
感じのいい好青年で、彼とは一度、酒を飲み交わし愉しい時間を過ごした事もある。相変わらず元気に山を走っているようで良かった。
それにしてもこの日は、平日なのに沢山のトレイルランナーが走っていた。
ルートもしっかりしており危険な箇所も少なく、走りながら景色を楽しめる為、きっとトレランの人気コースなのだろう。
硫黄岳へ向かうK君と別れ、僕達も天狗岳へ向かうことにした。
つづく
by sanyahoukou
| 2019-09-13 06:00
| 登山
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